Plastic Tree 『トロイメライ』 (2002)
日本のヴィジュアル系シューゲイザー/オルタナティブロックバンドの4枚目のアルバム。
僕がPlastic Treeの中で一番好きなアルバムです。
1. 理科室
2. グライダー
3. 蒼い鳥
4. 散リユク僕ラ
5. ペットショップ
6. 懺悔は浴室で
7. 赤い靴
8. ガーベラ
9. 千葉市,若葉区,6時30分。
10. プラットホーム
11. Hello
12. 雨ニ唄エバ
魅力は「従来のPlastic Treeらしい世界観は踏襲しながらも、ヴィジュアル系らしい非現実感ではない、現実と地続きなダークさを感じさせる点」です。
それまでのPlastic Treeはいわばオカルト的な世界観が強く、モチーフは壊れた人形・クローゼット・幼少期のトラウマ・サーカス・猫の死体など(ここら辺厳密ではないです)、非現実とまでは言わないまでもダークな物語という感じがありました。
今作からは歌詞に現実を感じさせるキーワードが並んでて、それまでのファンタジーっぽい感じはなくなりました(メンバーの名義もよくあるヴィジュアル系っぽいアルファベット表記から漢字フルネームに変更)。しかし詩の内省的な感じ、神経質で病的な感じはそのままで、だからこそダークな感じがより現実味を帯び、気味悪い印象を与えられます。僕はそこがとても気に入っております。
あとはその世界観をそのまま表現するようなアルバムジャケット。空想っぽく見えながらも、別世界のものとは何処か思えない感じが本当に素敵な写真だと思います。
(ちなみにこの写真は「寫眞館ゼラチン」という写真家によるものです)
http://gelatingelatin.wixsite.com/shashinkangelatin
肝心の音楽性ですが、シューゲ・オルタナサウンドをベースに、普遍的な邦楽ギターロックバンドにより親和性がある感じのサウンドになった感じがします。メンバーのルーツ的にART-SCHOOL、Syrup16gあたりの邦楽ロックが好きな人は理解を示してくれそうな感じがします。
あとは重々しく汚いグランジテイストなディストーションが度々フィーチャーされているのも特徴です。一見ミスマッチな浮いた使われ方なのですが、僕がPlastic Treeに個人的に感じている「バンド小僧」感が出てて大好きです。いろんなジャンルのロックを聴いて、自分がカッコいいと思ったサウンドは意欲的にぶち込んでいく感じ。
ちなみにPlastic Treeはこんな人たちです
むかし
さいきん
以下曲紹介です。
#1 理科室
youtu.be
一曲目にして一番好きな曲。
理科室というモチーフがすでに内省的・病的な感じを醸し出しまくってますよね。
サビの目の詰まったようなディストーションサウンドと分厚いライドシンバルの荒々しい刻みがせつない。
歌詞が好き。
わかりあう事が愛だって聞いた。それが本当ならみんなひとりぼっち。
ずっと、ずっと。
#2 グライダー
youtu.be
夏っぽさと自殺願望のイメージ。
歌メロはキャッチーでちょっとかわいい感じなのが不気味です。最高。
センチメンタル、感じながら飛んでくよ。
僕はグライダー。
そっちまで行くから。そっちまで行くから。
こんな風に、ほら。こんな風に、ほら―――。