jfkmu ongaku blog

ICUの軽音楽サークルJazz Funk Keystation / Melody Unionの部員/卒業生による音楽ブログ。主に部内向け。

おじさんがインストポストロックおじになった理由 ~クリーントーンが綺麗なポストロックバンドから~

ども。ID17のおじさん、石井です。この企画の話が出たときに、インストの音楽を中心に書こうとは思ったんですが、どんな書き方にするか迷っていたので、みんなに倣って自分の音楽に対する考えを少しだけ書いてみようと思います。興味ない人は飛ばしてもらっても構いません。

17 健吾くんの記事でも出ていたけれど、健吾くんのコピーに対する姿勢が「原曲の良さを知ってもらうためのフィルター」というものであるとしたら、自分のスタンスは「原曲に自分たちなりの解釈を載せて聴かせる」っていう感じです。コピー vsカバー、というか、自分は自分の乗ったバンドすべてに対して「コピーバンド」じゃなくて「カバーバンド」だと思ってます。この違いはたぶんきっと、自分がピアノとか吹奏楽とか合唱とか、楽譜前提の音楽にずっと触れてきたせい。ピアノにしても合唱とかにしても、常に楽譜通りに再現して弾くことが前提だけど、それをどう弾くかは演奏者側の手の中にある、という感覚で、自分はバンド音楽の中でも常にそれを意識してました。クラシカルな音楽とバンド音楽の大きな違いは「作曲者本人の演奏」が聴けるかどうか、っていうところにあると思っていて、そういったこともこのスタンスの違いに影響しているのかな、と思います。

もうひとつ、やっぱり音楽って言葉じゃないコミュニケーションだなって思っていて、このサークルでバンドをしていてとても強く感じていたことは、「メンバー分の1」として演奏したい、ってことでした。そういう自分のスタンスとか考え方とかを自分が最も自然に落とし込めたのがインストポストロック。特に歌詞のある音楽は主張がはっきりしているから、結構歌詞のイメージとか伝えたいことも、演奏の感じとかも歌詞の意味にゆだねられる部分が比較的大きいと思うんですけど、インストだとそういうのが一切なくて、自分たちで感じたものをそのままに試行錯誤して積み上げていける感じがすごく自分にとって楽しかったし、聴いててもそういうバンドが多い気がするからここまでハマったんだと思います。その結果ディグりまくって、ただのインストおじになってしまいました。笑

これ以上書くと「ブログでも話なげーよ」って言われそうなので、そろそろおすすめ行きます。笑 今回は轟音系やアンビエント、極度の変態バンドは外して、流し聴きできるような気合い入れないでも聴けるインストポストロックバンドを10個紹介します。有名どころも一応入れてるから、知ってるバンドも多いかも?

 

1.A picture of her

日本のインストポストロックバンド。クリーントーン主体のツインギターと緻密で柔らかなドラム(特にスネア)の絡み合いは最高。そこにセカンドのメロディーラインみたいにベースが混ざり合ってひとつの曲になっていく、その流れは美しいの一言。特に1st album C は名盤。全部聞いてほしい。toeの後追いとか言われてに埋もれがちだけど、個人的にはこっちの方が断然好き。toeがエモ要素を持ったカジュアルテク集団だとしたら、こちらはバンドそのものがひとつの生き物のようなインストポストロックバンド。バンド内で演奏者としてのコミュニケーションの息遣いが聞こえてくる、本当にいいバンドです。

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社会人バンドなので、結成は10年以上前なのに出したのはEP 1枚とアルバム1枚のみ。その分どちらもクオリティ高くて本当に良い。どっちも音源持っているので、ほしい人は遠慮なく。

 

2.toe

言わずと知れた日本を代表するポストロックバンド。「ポストロック、何聴いたらいい?」って聞かれたら間違いなくトップ10には入る。スネアをはじめとして硬質なドラムが特徴的。Gt.美濃さんはベースのヘッドアンプで音出してるらしい。ポストロックだけど、ちょっとエモっぽいというかそういうニュアンスを感じる。有名なのでいうことはあまりない。笑  個人的にはPast and Languageが好き。

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3.Pele

toeも敬愛するアメリカのバンドで、一緒にSplitも出してたはず。すっきりしたバンドサウンドで海辺を走るようなさわやかな疾走感、ポップ感が売り。けど、ポストロックらしい、意味わかんなさが時々ふらりと顔をのぞかせる。リスナーのレベルとしては初心者向けではありながら、やったらプレイヤーとしては絶対楽しい、そんな作りの曲が多い印象。1回ライブでやってみたいバンドのひとつ。

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4. Tom’s Story

こちらも爽やか疾走系。4拍子の曲が多めなので聴きやすく、作業用とかで流し聴きするにも良い。サウンドの方向性としてはPeleよりももう少しクリア感があってモダンな音に近い。Peleは常識として聞いておきたいけど、個人的なおすすめはこっち。

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5.Ghost & Vodka

American Footballとかで有名なKinsella兄弟のバンド。それほどクリーントーン主体ってわけではなく、Peleをもっとカオスにパンキッシュに疾走させまくった感じ。でもアコギの使い方とかもうまくて、アルバム通して聴いても全然飽きないバンド。このバンドが好きな人はCap’n JazzとかJoan of ArcとかOwlsとかKinsella系のバンド聞いてみると楽しいと思う。ただの変態兄弟なので笑 (弟Mikeはまだまとも、兄Timがマジでやばい。)

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6.Totorro

かわいい名前とジゃケとは裏腹に結構ポストロックポストロックしたサウンド。バンド全体としては歪みのある曲の方が多いけど、そのなかで時折スッと顔をのぞかせる軽やかなクリーントーンのパートに惚れる。結構ベースはヘビーな感じだけど、ギターのリズムと中和されると心地よく聞こえる。疾走感のある曲だけじゃなくて、ファジーなズブズブ系の曲あって一辺倒じゃない楽しさがあるバンド。

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7.Suffer like G did

細胞分裂してるジャケのインパクトで覚えられる。笑 軽めのギターと手数の多いドラムと動き回るベースって感じで、こちらもまたポストロックらしいサウンドと手数の多さで攻めてくる感じ。この辺はクリーントーン云々とかいうよりポストロックらしさを楽しむために聴いてます。個人的には適度な意味の分かんなさがちょうどよくて好きなんだけど、聴き流すのにはちょっと向かないかも?笑

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8. Covet

女性ギタリストYvette Young率いる3ピースバンド。こいつがやばい。何がやばいかってどの曲もほとんどタッピングで弾いてること。そして深海に沈んでいくかのような幻想的な曲が本当に聴いてて心地よい。このぐらいタッピングできるようになりてぇ。笑

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9. Penpal

しっとり系の曲が秀逸。アンニュイなボーカルがちょろっと入ったりするけど、あくまでインスト主体。で、そのアンニュイな声がいいアクセントになってる曲が多い。夜、ゆっくりお酒とか飲みながらさみしい気持ちで独り言ちたいときに。

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10.Clever Girl

アンビエントみたいなクリアでうっすらとディレイの組み合わさったクリーントーンが美しい。サックスとか管隊が入ってる曲もあって、その絡みを聞いているだけでも楽しい。Clever GirlっていうタイトルのEPはポストロック感満載だけど、今回紹介しているアルバムは落ち着いた気持ちになれるし、寝れなくなりそうな変態リズムも多くはないので夜に聞くことが多い。ゆったりしたい時にはおすすめです。

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ほんとは紹介したいバンド、好きなバンドはほかにもたくさんあるのですが、ひとまずこれにて! 企画してくれたゆうきくん、最後まで読んでくれた人、ありがとうございました。さらば!